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9.82021
自転車の種類が多すぎる問題!
最近ではシティサイクル以外にもクロスバイクなどを利用している人もよく見かけるようになりましたね。
10年ほど前はクロスバイクって何?という事も多かったのですが最近は市民権を得てきているように感じます。
実はここ十数年で自転車の細分化が進みいろんな種類が誕生しました。
その多くはその競技やジャンルの名前を冠した自転車のなっています。
今回はそんな細分化されよく分からなくなった自転車を紹介してみます。
- MTB
- ダウンヒルバイク
- クロスカントリーバイク
- シクロクロス
- クロスバイク
- フラットバーロード
- ロードバイク
- ファニーバイク
- エアロロード
- トラックレーサー
- ランドナー
- スポルティーフ
- エンデュランスバイク
- グラベルロード
- ミニベロ
- リカンベント
目次
MTB マウンテンバイク
まだスポーツバイクにロードバイクかランドナーぐらいしかなかった1970年代、アメリカの西海岸で産声を上げました。ビーチクルーザーというタイヤ幅の太い自転車で崖を下ったのがMTBの始まりと言われています。
最初はハードテイル(サスペンション機構の無い一般的なフレーム)でしたが、求められる性能が年々上がっていきました。そこでまずはフロントのサスペンションのついたMTBが登場し続いてフレームにサスペンションのついたMTBが誕生しました。前後サスペンションの入ったMTBをフルサスペンションと呼びます。その後、更に崖下りは過酷になりダウンヒル専門のMTB、ダウンヒルバイクが生まれることとなります。
ダウンヒルバイク
MTBから細分化したダウンヒルようの自転車です。ダウンヒル競技の年々過酷になって行くコース内容に合わせ重心が後ろに行き、フロントのサスペンションが長大化し、BB 位置も上昇しました。崖を下ることに特化している為、平地での走行性能はあまりありません。すごく高価です。
クロスカントリーバイク
MTBから派生した自転車の種類で、山道を走破する事を得意とします。その為ダウンヒルバイクほどフロントサスペンションのストローク量*がなく、また重心もダウンヒルバイクほど後ろにありません。
(ストローク量*とは、サスペンションの沈み込む長さの事。長いほど大きな衝撃を吸収できる)
シクロクロス
最近専門バイクとして分化されました。元々は古くなったロードバイクフレームなどを利用して未舗装路などを走る遊びでしたが競技化し、泥や段差などのあるコースを走り抜けることの得意な自転車として生まれました。形状はロードバイクとMTBの間の子のような見た目です。リアエンドやタイヤのワイド化、ディスクブレーキやカンチブレーキの使用などはMTBのようですが、ハンドルはドロップハンドルでフレーム形状もスローピングがあるとは言えロード寄りです。走破性は高いですが走行性はそこそこです。
クロスバイク
これはよく見かけるのではないでしょうか?MTB:ロードバイクの比率が7:3くらいの自転車です。基本的にサスペンションはなくハンドルもフラットです。ただ、使用タイヤはMTBほど太くなく走行性を追求しています。基本的に街中での走行が想定されています。ロードバイクより走破性が高く、走行性はMTBよりあります。あると便利な一台です。
フラットバーロード
これはクロスバイクとロードバイクの間というか、ロードバイクのハンドルをフラットハンドルにしただけのような自転車です。舗装路での走行性能は高く非常に走りやすい反面、ハンドルがフラットの為登りや長距離には向きません。坂の少ない街中をクロスバイクよりスムーズに走りたい人向けの自転車です。あまりおすすめはしません。
ロードバイク
MTBも元をたどればロードバイクから派生したといっても過言ではありません。その歴史は古く100年以上の歴史があります。2021年現在のロードバイクのUCIでの定義は「ダイアモンドフレームを使用する事」とある為ロードバイクの見た目にそこまで大きな違いがありません。ドロップハンドルを有しダイアモンドフレームであり、速く走る為以外のものを極限まで排しています。現役のフレーム素材はクロモリ、アルミ、チタン、カーボンなどがあります。クロモリより古い時代の素材ではハイテン(ハイテンション鋼材)が使用されていました。舗装路を速く走る為の乗り物ですので走行性能は最上級ですが、走破性能はそこまで高くないので段差や穴には気をつけましょう。価格は10万円くらいから120万円ほどの間でいろいろあります。新車で10万円以下のロードバイクを購入する場合は知り合いの自転車に詳しい人にまず相談してみてください。型落ち以外で10万円未満のものはおすすめしません。
ファニーバイク
現在のロードバイクは前輪後輪ともに同じサイズですが、1990年代頃のロードバイクには前後でホイールサイズが異なるものがありました。後輪の方が大きく前輪は小さいです。空気抵抗を減らし、前傾姿勢を極めつければ速く走れるという考えからでしたがUCIの規定により現在は殆ど見かける事がなくなりました。基本素材はクロモリでホイールサイスは700c X 24incなどが多くみられました。またハンドルはブルホーンハンドルが多く採用され如何にして空気抵抗を減らすかが追求されています。このタイプの自転車は重心がフロントホイールよりなのでリアブレーキがあまりきかないのがちょっと怖いです。
エアロロード(空力フレーム)
1990年代、ファニーバイクの空気抵抗をどうすれば減らせるのか?という問題がたどり着いたフレームです。材質にはカーボンが使用され各メーカーがそれぞれに独創的な形状のフレームを制作していました。今でもこの時製作されたフレームで出したアワーレコードは破られていませんがこの記録は非公式扱いとなっています。というのも、2000年台初頭にUCIがロードバイクの定義として「ダイアモンドフレームを使用する事」としたからです。その為過去ダイアモンドフレーム以外で作られた記録は無かった事にされました。定義変更後はもう空力フレームが大々的に作成*されることはありませんでした。
*現在でもトライアスロン用としてごく僅かに生産されていますがかつてほど独創的ではありません。
トラックレーサー (ピストバイク)
自転車の本場は欧州ですが、日本発祥の自転車競技もあります。競輪です。この競技にはトラックレーサーと呼ばれる自転車が用いられます。シルエットはロードバイクににていますが、変速機能やホイールのラチェット機構、ブレーキがありません。また、フレーム素材はクロモリ*のみとされておりNJSに公認を受けた工房でしか制作できません。
*海外ではカーボンモノコックのトラックレーサーが作成、使用されています。
ランドナー
ロードバイクは速く走りたいという目標に向けて進化してきましたが、そうで無い人ももちろんいました。遠くへ行きたいという人たちです。その人たちは荷物を積みどこまで行けるのかという事を追求していました。長期間乗れば天候も当然変わる為泥除けがつきます。長時間乗ると夜になる為ライトがつきます。変速機の故障が起きては困る為シンプルな機構が望まれます。荷物を積むための荷台が必要になります。と、とにかく必要なものを足してできたのがランドナーです。ロードバイクが能や狂言なら、ランドナーは歌舞伎ですね。このランドナーはフランスが発祥と言われていますが一度廃れ消えかけた時代がありました。それでもフランスと日本で残っていたため、ランドナーの規格にはフランス規格のものがまだ残っています。ホイールサイズやヘッド規格、ネジのピッチなどで名残のあるものがあります。フレーム素材は基本的にクロモリです。古い時代のものはハイテンもあります。
スポルティーフ
ランドナーは自分の足でどこまでもという感じですが、スポルティーフはもうちょっとお手軽に旅を楽しむ事を目的としています。輪行しやすいようにハンドル幅は小さく、ブレーキも抜きやすくなっています。また中にはフレームが二分割できたり、ヘッド事すぐに抜けるようなものまでありました。ここまで書いていますが、ランドナーとスポルティーフの明確な違いはわかりません。蝶と蛾のように曖昧なのです。
エンデュランスバイク
これは最近できたジャンルの自転車です。ロードバイクのロングライド特化型だとお考えください。ツーリングバイクの一種ですがランドナーのように荷物を積む訳ではありません。長距離を走行するため衝撃吸収に優れた素材を使用したり、標準装備としてディスクブレーキを採用しています。また、タイヤは太めでポジションがロードと比べると起き気味で体にかかる負荷を軽減しているようです。正直わざわざ買う必要性の見いだせない自転車です。
グラベルロード
シクロクロスという自転車をご紹介しました。グラベルロードはシクロのダートも走ることのできる自転車です。一応分類としてはツーリングバイクになります。荒地も走れるロードバイクのようなものです。現在の技術を集めて作ったランドナーのようなものという事もできます。実際GIANTではこれをベースに最強のタフネスを備えた世界旅行用の自転車を作っていました。
ミニベロ
街で見かけるちょっとおしゃれな自転車です。基本的にタイヤサイズは小さくジオメトリをロードの規格で作成しています。タイヤは20インチが主流です。ややこしいのは20インチの2種類あることでしょうか。同じ20インチホイールでもETRTOが406のものと451のものがあります。406より451の方が大きいのでこちらの方がメインになりつつある印象を受けますが両方ともが併存しています。気楽にのれますので良い自転車だと思います。
リカンベント
自転車はただ座って乗るだけの乗り物だといつから錯覚していた?という疑問から生まれた自転車です。平地ではめちゃくちゃ速いです。イメージとしてはゴーカートの椅子に寝そべり走っているような感覚です。身体を支える必要がないため体力を温存でき、さらに足を踏み出す力も背もたれがあるおかげでロスなく伝えられます。このフレームも速かったのですがUCIの規定の変更によって表舞台から遠ざけられました。しかし根強いコアな人気はありいまだに僅かながら生産されています。一台くらいは欲しい自転車ですね
終わりに
自転車の種類増えすぎです。正直まだ種類はあると思いますが今回はこれくらいでご容赦ください。自転車選びの一助になればと存じます。自分の目的にあった自転車を選ぶのがお勧めですが、中途半端な器用貧乏タイプの自転車はおすすめしません。特化している方がよりディープに楽しめますので面白いと思いますよ。
良き自転車ライフをお送りください!
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